「異性から好意を示されるのが苦痛」「好きだった人が振り向いてくれた途端、気持ち悪く感じる」など、恋愛に嫌悪感を覚える方は少なくありません。

なぜ自分は恋愛に抵抗感があるのか、どうして自然にできないのかと悩むこともあるでしょう。できるのであればこの感情に名前を付けて、理解したいですよね。

そこで今回は恋愛が気持ち悪いと感じる2つの理由と、嫌悪感との向き合い方について紹介したいと思います。

 

１．恋愛が気持ち悪い理由は大きく2つある

恋愛感情を向けられると気持ち悪いと感じる理由は、2パターンあります。

①恋愛指向によるもの（リスロマンティック）

②心理的な状態の変化によるもの（蛙化現象）

同じ「恋愛が気持ち悪い」という感情でも、①と②どちらの理由かによって今後の恋愛への向き合い方は異なります。まずはそれぞれの特徴から、自分はどちらに当てはまるのか見極めることが大切です。

 

２．「リスロマンティック」とは？

恋愛に対して不快感を抱く恋愛指向の1つにリスロマンティックと呼ばれるものがあります。このリスロマンティックにはどんな特徴があるのでしょうか？

 

リスロマンティックの特徴

リスロマンティックとは「恋愛感情を持つが、相手から応えてもらうことを望まないセクシュアリティ」を指す言葉です。

もし以下の点に当てはまるなら、リスロマンティックの傾向があるかもしれません。

• 恋愛関係になることを考えると気持ち悪い
• 恋愛感情はあるが付き合いたいとは思わない
• アニメキャラクターやアイドルが好き
• 恋バナが嫌い
• 相手と体が触れるのが嫌
• 性的な関係を持つことと恋愛感情は関係ないと思う

リスロマンティックの程度によっても異なりますが、多くの場合、好きな相手から恋愛感情を向けられると気持ち悪いと感じてしまいます。好きという感情は抱いても、両思いになることに違和感を覚えるのです。

 

リスロマンティックの恋愛事情

リスロマンティックと一口に言っても、その恋愛事情は様々です。例えば、恋愛関係が色濃くなることに不快感があるものの、プラトニックな交際や結婚を望む方もいます。異性との生活をまったく必要としない人もいれば、信頼できるパートナーとして友情結婚をする人もいるでしょう。

リスロマンティック＝交際・結婚しないという決まりはなく、そのあり方はさまざまです。また、恋愛を気持ち悪いと感じるからといって無理に克服するものでもありません。セクシュアリティについて理解を深め、自身の思いや考えを大切にしてください。

 

３．「蛙化現象」とは？

相手からの恋愛感情が気持ち悪いのは、「蛙化現象」と呼ばれる自身の心理的問題の場合もあります。そんな蛙化現象について見てみましょう。

 

蛙化現象の特徴

蛙化現象とは、恋愛感情を抱いていた相手が振り向いた瞬間、気持ち悪いと感じ始める現象のことです。この言葉はグリム童話「かえるの王子様」を由来としています。

「かえるの王子様」とは王女と醜い蛙のお話。王女は泉に落とした毬を拾ってもらう代わりに、蛙と寝食を共にすることを約束します。最初は約束を守らず帰ってしまいますが、王様から約束を守るよう諭され、王女はしぶしぶ一緒に食事をします。しかし同じベッドで寝ることに嫌悪感を抱き、なんと蛙を壁にたたきつけてしまうのです。

その瞬間、なんと蛙が王子様に！実は蛙の正体は魔法で姿を変えられていた王子様でした。王女は素敵な王子様と恋に落ち、2人は結婚しました…というストーリーです。

「蛙化現象」は、この「壁に投げつけるほど気持ち悪いと思っていたのに、王子になった途端好きになる」という急激な感情の変化からきています。かえるの王子様では「嫌い→好き」でしたが、蛙化現象はその逆で「好きだったのに急に嫌悪感を抱く」心理です。

例えば、感情がこんな風に変化したことはありませんか？

• 好きな人から告白された瞬間に生理的な嫌悪感が生じた
• 彼氏が手を握ってきた瞬間に気持ちが冷めた
• 片思いの相手と付き合えたとたん急に距離を置きたくなった

これらが当てはまる場合、リスロマンティックというより、蛙化現象で感情が急変したと言う方が近いでしょう。

 

リスロマンティックとの違い

蛙化現象とリスロマンティックの特徴を見比べると、なんだか似ていると思いませんか？しかし蛙化現象は両思いを望んでいたはずなのに嫌いになってしまう心理的現象で、そもそも両思いの形を望まないリスロマンティックとは異なります。

蛙化現象は、リスロマンティックのように恋愛自体に嫌悪感があるのではなく、両思いになったら気持ちが冷めてしまう心のあり方によるもので、誰にでも起こりうる現象です。そのため、原因を特定して考え方を変えれば克服できるでしょう。

 

蛙化現象を克服する方法

蛙化現象になりやすい人には3つの特徴があります。自分に当てはまる特徴にあった対策をしましょう。

 

①自己評価が低い

②恋愛経験が少ない

③理想が高い

 

自己評価が低い人は、自分磨きをしましょう。自尊心が低いと、相手が振り向いてくれても「自分のことを好きになるなんて…」「騙されているのでは」という思考に陥りがちです。努力してもっと素敵な自分になれば、恋愛に対してもポジティブになれます。

恋愛経験が少ない人は、交友関係を広げて色んな異性と話してみることがおすすめです。等身大の男性・女性を知ると勝手に幻滅しにくくなります。

恋愛経験があっても理想が高く蛙化現象になってしまう人もいます。そんな人は何事も完璧を求めず、相手の良い所を注目するクセをつけることが大切です。

 

４．まとめ

恋愛が気持ち悪いと感じる理由には、リスロマンティックと蛙化現象の2つがあります。

リスロマンティックは「恋愛感情を持つものの両思いは望まない」恋愛指向の1つで、友情結婚をする人や異性との生活を全く望まない人まで様々な考え方の人がいます。

一方、蛙化現象は「好きな人から恋愛感情を向けられると急に冷める」心理現象で、誰にでも起こりうるものです。異性と交流したり、自分磨きをしたりと、自分に合った方法を見つけて克服できます。

恋愛を気持ち悪く感じることは、決して「ダメ」ではありません。ありのままの自分を受け入れ、自分にとって心地のいい恋愛との付き合い方を考えましょう。